左側は幕末に日本でも使用されたガトリング砲がモチーフの根付。作品名「奇環砲」は機関砲の語源になったとも言われております。
真鍮、銀、銅、漆などを使用して制作しました。右横のハンドルと銃身の回転が連動するギミックを備えています。車輪も回転します。
根付としてはかなり強引なのは重々承知しておりますが、映画「ラストサムライ」などでも使用されているように武士の世の終焉を象徴するものとして、かつて作られていた「鉄砲根付」を極限まで拡大解釈して制作してみようと思い立ちました。
本来ならおよそ和物としての要素はない筈ですが、越後長岡の河井継之助による使用などで幕末のアイテムとして独特の地位を占めているのではないかと思います。
右の「聖天団子」は仏教とともに唐から伝わった唐菓子(とうがし・からくだもの)の一種を象った根付。ブロンズ、銀を使用。
この菓子は現在でも「清浄歓喜団」の名前で販売されているのをご存知の方もいることでしょう。
歓喜天(聖天)の供物として使われるもので、この根付の底の蓋状の部分内側にはこちらも歓喜天に縁のある二股大根が彫ってあります。縁起物でもあり、仏具のようにも見える形も面白いと思います。
ともに花影抄にて取り扱いです。