昭和12年5月、「白鶴翁」嘉納治兵衛が催した茶会「白鶴山荘春季美術館釜」の飾付けに、鷹の自在置物が用いられていたことを、当時の『茶道月報』の記事が伝えている。 『茶道月報』(319),茶道月報社,[1937-07] https://dl.ndl.go.jp/pid/11208215/1/52...
明治天皇が自在置物に興味を惹かれていたことを記した、沢田撫松編『明治大帝』(帝国軍人教育会...
以前のブログ記事「板尾新次郎と1900年パリ万博」は、板尾新次郎の作品の1900年パリ万国博覧会への出品についてのものであったが、訂正があり未整理なものになっていた。その出品作に博覧会事務局から製作費の補助があったことが判明したので、改めて整理してみることにする。...
1893年にシカゴ万国博覧会に鷲の自在置物を出品した板尾新次郎(板尾清春)は1900年のパリ万国博覧会にも作品を出品しています。星野錫編『美術画報 臨時増刊 巴里博覧会出品組合製作品』(画報社 1900年1月)には銀製の鸚鵡の自在置物が掲載されていますが(画像)、他の国内の資料では「置物」あるいは「金象眼置物」という表記が確認できるのみです(1)。...
10日 7月 2017
知らなかったのですが、メトロポリタン美術館に鈴木長吉の「鉄製」の鷲の作品があったのですね。頭と爪は鋳造ですが、その他の部分は明珍の作品のように別々に制作した鍛造部品を鋲留めしてあるそうです。無銘ではあるものの、1893年のシカゴ万国博覧会に出品予定であったとのこと(画像は The Metropolitan Museum of Art のオンラインコレクションより)...
14日 5月 2017
帝室技芸員でもあった鋳金家・鈴木長吉が自在置物の作品も制作していたことは何度か触れてきましたが(ブログカテゴリ「鈴木長吉」を参照されたし)、明治22年の日本美術協会美術展覧会の出品作に鉄製龍自在置物とみられるものがあることを確認しました。 ...
25日 4月 2017
明治期の自在置物の博覧会等への出品についての年表を更新しました。 今回追加したのは日本美術協会の明治24年美術展覧会に同会会頭の佐野常民によって出品された「鐵製屈伸蟹鎮紙」。鎮紙という名称ですが、「屈伸」とあることから蟹の自在置物と見てよいでしょう。...
17日 9月 2016
東京藝術大学大学美術館「驚きの明治工藝」展で見るのを楽しみにしていた作品の一つがこの板尾新次郎の鷹の自在置物でした(過去に板尾新次郎について触れたブログ記事はこちら)。予想通りの精巧な作品であったことに加えて架や架垂、大緒も良好な保存状態であることが確認できました。...
09日 9月 2016
東京藝術大学大学美術館で9月7日から開催の「驚きの明治工藝」展を見てきました。 同展には台湾のコレクター宋培安氏のコレクションから130点あまり出品されています。このコレクションは数年前に存在を知ったときから見てみたいと思っていたのですが、こんなに早く日本での本格的な展覧会で目にする機会が訪れたことは望外の喜びでした。...