先日銀座のカルチャーセンターの講座にて清水三年坂美術館の自在置物に再び触れてきました。
今回は鯉や龍などは無かったのですが、村田館長お気に入りの鉄製の明珍の蛇を手に取って見ることができました。
村田館長によれば他の自在置物の蛇よりもパーツ数が多いので完全にとぐろを巻くことが出来るとのこと。確かに尻尾の方まで大変滑らかな動きでした。蛇の自在置物は近年オークションなどで高値になっていますが、この蛇が出たらウン千万円になるのではと仰っていました。
いつもなら写真は撮れないと思うのですが、今回はなぜか?OKということになり撮らせてもらいました。
その他は高瀬好山工房の宗好の鉄のクワガタムシ、カブトムシ、スズメバチなどが前回に引き続き出ていましたが、やはりこれらは出来が良いです。鉄製なのですが薄く繊細に作られており、手に取ったときの重さは見た目より大分軽く感じます。
クワガタムシは好山の銀製のものも出ていました。
十年ほど前だと好山の昆虫は一つ3000から5000ドルだったようですが
http://www.pbs.org/wgbh/roadshow/archive/200204A22.html
欧米のコレクターに加え中東やロシアでも自在置物が買われているそうで、投資としても悪くないのにオークションでビッドしている日本人は村田館長以外にはいないとのお話でした。
こちらがスパイラルの展示で撮らせてもらった写真です。
やはり現在これだけのものを作れる人は他にいないと村田館長も仰ってました。
昔に作られたムカデは以前東博の展示に出た一点しか存在が確認されていないようなので、コレクションに加えたかったのかもしれないですね。
自在置物も甲冑師の余技から明治の輸出工芸品へとなかなか数奇な運命を辿りましたが(それにより製作技術が失われることなく伝えられたのですが)、さらに現代の作家によって拓かれる新たな地平がどのようなものになるかも興味深いところです。
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